楽しく創造的に活躍できる人材の創出
Human Resources
ゴールとKPI
2030年
- ゴール
- 一人ひとりがミッション・ビジョン・バリューを体現し、企業成長と自己実現につながる労働環境を実現している
- KPI
-
- バリューの啓発活動の実施
- エンゲージメントサーベイの実施
2024年
- ゴール
- 企業の非連続成長を牽引する優れた人材を獲得し、自己成長の加速とチームパフォーマンスの最大化を支える労働環境を実現している
- 取り組み
-
- カルチャー推進を担う新組織の設置
- バリューの改定と浸透施策の実施
- 新人事制度の導入(等級・評価・報酬制度)
活動を通して貢献するSDGsゴール
考え方と体制
人的資本経営にむけた基本的な考え方
当社は、「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションのもと、人生の大半を過ごすことになる「働く」という時間を、生活の糧を得るという基本的な目的に留まらず、1人でも多くの人がより楽しく、創造性を存分に発揮できる社会の実現に貢献することを目指しています。しかし、このためには価値創造の担い手である従業員自身が「働くことを楽しみ、創造性を発揮できる」環境を実現する必要があると考えています。
そのため当社では、創業時より従業員一人ひとりの個性を尊重し、フラットで風通しの良い風土を育んできました。現在はこれを発展させて、ミッション・ビジョン・バリューを軸とした当社らしい組織づくりを進めています。
今後、当社が飛躍的な成長を実現するには、従業員一人ひとりの成長とバリューの実践が重要になるとの考えのもと、従業員のキャリア開発と新しい技術・スキルを学ぶ機会の提供を進めると共に、バリューの実践を促す施策や仕組みづくり、を進めています。具体的には、バリューワークショップ、人事評価制度および表彰制度へのバリューの組み込み、社内コミュニケーション促進イベントの開催などを通じて、バリュー理解の深化と価値観の共有を進めています。こうした取り組みを通じて、一人ひとりが自律的に学び、挑戦し、それにより組織全体の活力と創造性が高まる好循環を生み出す組織作りを推進していきます。
さらに、働くことを楽しむには、従業員が心身ともに健康であることが必要です。子育てや介護、自身の健康状況などにより働き方の変化が必要になっても、全ての従業員が安心して創造的に働くことができ、自身のキャリア実現に近づけるように、一人ひとりのライフステージに応じた柔軟な働き方が選択できる制度を整備しています。
これらの取り組みを通じて、当社のミッションに共感する優れた人材が集い、ユーザーや社会への提供価値を一層高めることで、当社の持続的成長と長期的な企業価値向上を実現したいと考えています。
推進体制とマネジメント
人的資本のマネジメントを所管するピープル・ディビジョンでは、キャリア採用、新卒・第二新卒育成、労務、人材開発、HRBP*1などの専門グループが連携し、従業員がミッション・ビジョンの実現にむけて優れた価値を創造し、安心して働くことができる組織づくりを進めています。
また、組織のカルチャーとブランド資産のマネジメントを所管するカルチャー&ブランドディビジョンを新設し、カルチャー推進グループとBXユニット*2が、グループ理念に基づいたバリューの浸透や社内外のブランドコミュニケーションとクリエイティブ活動を通じて、カルチャーとブランドを一体的にマネジメントし、カルチャーとブランドを競争力とする価値創造基盤の強化に取り組んでいます。
- *1 HRBP: Human Resource Business Partnerの略称で、人事および人材開発の観点から事業部門の責任者と連携し、戦略的なパートナーとして組織課題の解決と成長を支援する役割を担う部門です
- *2 BXユニット: Brand Experienceの略称で、企業がブランドを通じて社員・顧客・社会とどのような体験を創出・共有するかを戦略的に設計・実行・評価する役割を担う部門です
主な取り組み
当社は、従業員一人ひとりがどのようなライフステージでも働きがいを持ち、成長し続けられるように、従業員の成長やワークライフバランスを支えるさまざまな制度・仕組みを導入すると共に、継続的に改善に取り組んでいます。
ミッション実現にむけた組織基盤の再構築
当社では、ミッション実現にむけて、人事制度のコンセプトを「成果や貢献に対して公平な処遇と自律した個の育成促進」と再定義し、新しい等級・評価・報酬制度からなる新人事制度を導入しました。
新人事制度は、従業員一人ひとりのモチベーションやパフォーマンスを向上させる仕組みを導入することで働きがいを高め、これをグループの成長につなげる好循環の実現を目的として構築しています。
新人事制度の概要

kubell表彰制度
当社では、事業や組織に貢献した各個人やチーム・部門の功績を従業員全員で讃え、喜び合い、感謝を伝えるために、社内表彰制度を設けています。「MVP」「CXO賞」「ルーキー賞」などを設け、それぞれの観点から事業や組織に貢献した個人や組織を表彰しています。個人だけでなく、チームや部門の貢献も評価されるため、組織単位でのモチベーション向上や生産性向上に寄与しています。
人材育成・組織開発にむけた取り組み「バリューの改定」
当社では、2024年2月に新中期経営計画を発表し、ビジネスチャットの会社から、BPaaSで「働く」を変えるプラットフォームを提供する会社へとビジネスモデルと事業領域を拡張しました。これに伴い、組織のカルチャーを競争力に更につなげることができる組織に進化するため、全ての役員・従業員が業務を行う際の指針となる価値判断基準「バリュー」の見直しを行いました。
見直しに当たっては、役員へのヒアリングと従業員ワークショップを行うと共に、全従業員へのアンケートを通じて、これからの当社グループが「Keep(残すべき価値観)」「Lose(なくすべき価値観)」「Add(獲得すべき価値観)」の3つ観点から価値判断基準の検討を行いました。
これらの検討の結果、新たに「Take Ownership(自分ごとでやりきる)」「Beyond Boundaries(越境し共に高めあう)」の2つバリューを追加すると共に、「Playful Challenge(遊び心を持ってチャレンジ)」「Integrity Driven(チーム・顧客・社会に対して誠実に)」は、旧バリューの要素を残しつつ、当社グループが目指す未来をよりイメージしやすい表現に変更しました。
今後も、社会情勢など経営環境や戦略の変化にスピード感をもって対応するため、バリュー等の重要指針のアップデートを適切に実施し、役員・従業員一人ひとりのミッション・ビジョンの実現にむけた指針・原動力となるように浸透を図っていきます。
大切にしている4つの価値観
Take Ownership(自分ごとでやりきる)
Playful Challenge(遊び心を持ってチャレンジ)
Beyond Boundaries(越境し共に高め合う)
Integrity Driven(チーム・顧客・社会に対して誠実に)
エンゲージメント向上にむけた取り組み
ピアボーナス制度「kubeTip」
当社では、日常の業務や業務以外でメンバーのバリューに基づいた行動・言動に、社員同士で「感謝」「称賛」のメッセージを贈り合える「ピアボーナス制度」を導入しています。この制度は、「Chatwork」と連携させることで、日々のちょっとした出来事でも気軽に「感謝」や「称賛」のメッセージを少額の報酬と共に贈ることができる仕組みです。メッセージは、全社員が入っているグループチャットで共有・可視化されており、毎月2,000件を超えるピアボーナスが贈られており、バリューの浸透と組織全体のコミュニケーションの活性化に大きく寄与しています。また、この制度で良い取り組みが共有されることで、「バリューに紐づいた模範的な行動」や「良い成果」が他の従業員の参考となり、組織力やエンゲージメントの向上につながっています。

経営戦略と人材育成との連動「全社評価会議」
当社では、半期に一度、役員全員が集まり「全社評価会議」を実施しています。従業員一人ひとりの成長とキャリア形成を支援するため、取締役と各本部の管掌役員が集まり、人事部門主導のもとで半期の振り返りと社員の中長期的な成長支援の方針を議論します。これにより、全社と各事業の中長期的な成長とその実現戦略を見据えて必要な人材像を見定め、人的資本の拡充と人材育成に関する中長期的な方針を定めています。これらの取り組みを通じて、従業員一人ひとりに対して具体的な成長機会を提供していきたいと考えています。
従業員とのコミュニケーション 〜「1on1」ミーティング〜
当社では、上長との相談しやすい関係性を構築し、メンバーが抱えている課題の解決や目標達成への助言など、メンバーの成長をサポートすることを目的に、上長とメンバーが1対1でミーティングを行う「1on1」を、週1回(30分〜1時間)の頻度で実施しています。
今後は、現在進めているハイブリッドワークスタイルを定着させ、対面での1on1の実施頻度を高めることで、上長による各メンバーの目標達成と成長への支援を強化していきたいと考えています。
従業員の入社後のオンボーディング支援制度 ~メンター・エルダー制度~
入社した従業員が、新しい職場に慣れ、早期にパフォーマンスを発揮してもらうために、2024年7月から入社オンボーディング研修を対面で実施しています。研修では、CEOや役員による対面での研修・交流会を実施し、入社初日から当社のカルチャーを体験してもらうことで、転職後の不安を解消し、早期に組織風土や業務に馴染めるように設計しています。
また、メンター・エルダー制度も導入しており、上長ではない既存社員がメンター・エルダーの役割を担い、入社した従業員のサポートを入社後3カ月間行っています。具体的には、業務の理解やアンラーニング、社内カルチャーの理解や人的ネットワークの構築など、ニーズや課題に応じたサポートを行い、入社した従業員が気軽に相談できる環境を整備しています。

労働環境とワークライフバランス
従業員一人ひとりのワークライフバランスの実現にむけて、時間や場所に捉われない柔軟な働き方ができる労働環境の整備を進めています。
当社は、新型コロナウィルスの感染症対応で在宅勤務が求められる前からエンジニア社員が全国各地でフルリモートでの遠隔地勤務を実施してきました。また、職種制限のないフレックスタイム勤務制度を導入しており、全ての従業員が自身のライフスタイルやワークスタイルに合わせて労働時間を決め、効率的な働き方を実践しています。
新型コロナウィルスの感染症対応が求められた際は、在宅勤務の対象でない従業員が在宅勤務を行うことになったため、働きやすい労働環境を自宅で整えてもらうために「働く環境支援制度」を導入し、在宅勤務環境をよくするために自分で購入した費用の一部を補助していましたが、2024年4月からは従業員の費用負担なしで必要な備品をレンタルできる「リモートワーク環境貸与制度」*を導入し、従業員がより使いやすい制度にしました。これからも、私たち自身が「一歩先の働き方」を実践するために、従業員一人ひとりの多様な価値観やライフスタイル、ワークスタイルに合わせた働きやすい労働環境を実現し、価値創造の源泉である人的資本の強化に取り組んでいきます。
* リモートワーク環境貸与制度(旧働く環境支援制度): 社員一人ひとりにあった在宅環境を整備するリモートワーク支援プラットフォームを使い、ポイントの範囲内で自分に合った製品を自己負担なくレンタルできる制度
ワークライフバランス関連制度と利用実績
制度 | 概要 | 利用実績 |
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職種制限のないフレックスタイム勤務制度 | 社員が始業・終業時刻、労働時間を決めることによって、⽣活と業務との調和を図りながら効率的に働くことができる制度 | 全社員(正社員のみ) ※2024年12月末 |
リモートワーク環境貸与制度(旧働く環境支援制度) | 在宅環境をよくするために、ポイントの範囲内で自分に合った製品を自己負担なくレンタルできる制度 | 利用人数260 名(利用率78.7%) 一人当たり利用金額4967円/月 ※2024年12月末 |
労働安全と健康
当社では、毎月1回、衛生委員会を開催し、「心身ともに健康で、安心安全に働ける労働環境」の実現にむけて、職場環境の改善に取り組んでいます。
特に、長時間労働の防止にむけてアラートによる労働時間の自己管理を重視しています。勤怠締めのタイミングを月2回に分け、このタイミングで労働時間を確認し、後半の半月で労働時間の調整を促すと共に、一定の残業時間を超えた従業員については人事面談を実施するなど、決められた労働時間の中でパフォーマンスを発揮する意識付けと支援を行っています。
また、義務化されている年5日の年次有給休暇の取得や健康診断の受診は、管理システムと「Chatwork」を連携させることで、取得していない従業員や健康診断を受診していない従業員に自動で通知を行う仕組みを構築しています。定期的なモニタリングや通知を行うことで、従業員本人が労働時間管理や健康管理の重要性への意識を高めています。
人的資本に関わるその他のデータ
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