ビジネスインフラとして信頼いただける品質の確保
Quality
ゴールとKPI
2030年
- ゴール
- 社会インフラにふさわしい堅牢性・システム稼働率と、中小企業をはじめとする多くのユーザーにご満足いただける優れたプロダクト品質を実現・維持している
- KPI
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- 提供するITサービスのシステム稼働率: 99.5%以上を継続達成
- プロダクト開発に関わる組織力の強化:
- 開発と運用が一体化した組織を構築
- 品質保証に関する専門チームを作り、開発プロセスでの品質の作り込みを行う
- 教育、研修に関してのプログラム整備と投資
2024年
- ゴール
- 高いシステム稼働率と優れた品質を実現するための組織基盤を構築している
- KPI
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- システム稼働率向上にむけたマネジメント体制の強化
- プロダクト品質向上のための横断的組織の設置
- WCAG※を評価基準とした自社プロダクトのアクセシビリティ評価の実施
- アクセシビリティ・ガイドラインの策定
- 取り組み
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システム稼働率向上にむけたマネジメント体制の強化
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稼働率向上のための月次レポートとレビュー体制の構築
- 各コンポーネントごとにMetricsを確認し、異常がないか、普段とは違う傾向が見られないかをチェックしレビューを実施
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監視から異常検知・通知までのシステム環境の整備
- 複数のSaaSを組み合わせて行っていたものを一つに集約することで、異常検知から通知までのタイムラグが解消
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稼働率向上のための月次レポートとレビュー体制の構築
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プロダクト品質向上のための横断的組織の設置
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品質活動の推進をする専門チームを新たに設立
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品質ガイドラインの整備・展開
- リリース判定基準の標準化やテストプロセスの強化
- 品質状態の可視化とモニタリング
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品質ガイドラインの整備・展開
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品質活動の推進をする専門チームを新たに設立
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WCAG※を評価基準とした自社プロダクトのアクセシビリティ評価の実施
- 2024年度においては準備段階にとどまっており、2025年度以降は全社戦略に則り、必要な対応の検討・実施を進めていく予定
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アクセシビリティ・ガイドラインの策定
- 2024年度においては準備段階にとどまっており、2025年度以降は全社戦略に則り、必要な対応の検討・実施を進めていく予定
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システム稼働率向上にむけたマネジメント体制の強化
※ WCAG(Web Content Accessibility Guidelines): WebサイトやWebコンテンツのアクセシビリティに関する国際的なガイドライン。特に、子どもや障がい者など誰もがWeb情報にアクセスしやすくするための基準として利用されている。
考え方と体制
品質に関する基本的考え方
当社はビジネスチャットを中核とするクラウドサービスを通じて、88万社※1を超える企業の皆さまのビジネスをサポートしており、ビジネスインフラの提供企業としてサービスの継続的提供が強く求められています。同時に、当社はミッション・ビジョンの実現にむけて、ITに不慣れな方や、IT・DXの導入・活用が難しい中小企業を含めた「働くすべての人」にIT化・DXの恩恵をお届けするサービスを提供したいと考えています。
そのため、当社ではITサービスの開発・提供において、「社会インフラにふさわしい堅牢性・可用性※2の確保」「ユーザビリティ(利用目的に照らした使いやすさ・満足度)・アクセシビリティ(サービス利用にむけたハードルの低さ)」に重点を置いて開発を行い、品質活動を推進しています。
「情報セキュリティの確保」にむけた活動の詳細は「高度な情報セキュリティとプライバシーの保護」のページをご覧ください。
- ※1 2024年12月末時点
- ※2 可用性: システムを障害(機器やパーツの故障・災害・アクシデントなど)で停止させることなく稼働し続けること、またはその指標のこと。
品質マネジメント体制
当社は、執行役員コミュニケーションプラットフォームディビジョンの副ディビジョン長を責任者として、ITサービスの開発を担うプロダクトユニットが品質活動を牽引する体制を整備しています。また、「ユーザビリティとアクセシビリティの向上」はプロダクトユニット内にあるプロダクトデザイングループが中心となって活動を推進しています。
2024年度には、部門横断的に品質活動を推進する専門チームとしてQAグループを新たに設立しました。QAグループは、品質ガイドラインの整備・展開を行い、これによりリリース判定基準の標準化やテストプロセスの強化につなげると共に、品質状態の可視化とモニタリングにも取り組んでいます。
品質マネジメント体制図

主な取り組み
プロダクト開発における品質向上
当社は、プロダクトユニットがサービス開発からサービスリリース後のインシデント対応まで一気通貫で行う体制を採用しています。これにより、お客様などから寄せられた品質に関わる情報をコミュニケーションプラットフォームディビジョンに集約し、新たな開発やリリース後のサービス改善に素早く確実につなげることを重視した品質活動を推進しています。
また、当社では日々の改善活動を通じて安定したサービス提供につなげることを目指していますが、変更や改善に適したサービスとするため、サービス基盤の疎結合化※1を進めると共に、高速かつ短いサイクルでの改善・配備に適したコンテナ技術※2を採用しています。
- ※1 疎結合化: システムの構成要素間の結びつきや互いの依存関係、関連性などが弱く、各々の独立性が高い状態にすること
- ※2 コンテナ技術: サーバー内を整理してアプリケーションやWebの開発・管理を効率的に行えるようにするOSレベルの仮想化技術
プロダクト開発フローと品質管理プロセス

サービスの継続的提供にむけた取り組み
当社では、堅牢性・可用性の高いシステム開発・提供にむけて、独自のガイドラインを設けて開発を行うと共に、定期的に第三者機関によるセキュリティの脆弱性チェックを実施しています。また、当社で利用する重要なシステムは、第三者機関によるセキュリティ監査を実施し、致命的な問題がないことを確認しています。さらに、システムで利用する OS、ミドルウェア等についても脆弱性情報を定期的に収集し、必要な対応を速やかに実施しています。
当社の基幹サービスである「Chatwork」では、ユーザーの皆さまのデータは、当社が契約するAmazon Web Services(以下AWS)の3つのデータセンターに分散して同時保存され、万が一、大規模なシステム障害や大地震などが発生して特定のデータセンターのデータが消失する事態が起きても、お客様のデータが失われることがないように冗長化※を行っています。
※ 冗長化: コンピュータシステムにおける機器やネットワークの障害に備えて、システムの予備を追加して多重化を図ること。
エキスパートレビューによるユーザビリティ・アクセシビリティの向上
当社では、「働くすべての人」にIT化・DXの恩恵を提供できるサービスの開発にむけて、プロダクトデザイングループが中心となって「エキスパートレビュー」を実施しています。エキスパートレビューは、「ユーザビリティ(利用目的に照らした使いやすさ・満足度)」をユーザーの立場と専門家の立場の両視点で、「アクセシビリティ(サービス利用にむけたハードルの低さ)」をWCAGのガイドラインに則って評価し、問題点を特定し、改善につなげる取り組みです。
改善および不具合発生時の対応
当社では、お客様から問い合わせ窓口にお寄せいただいた不具合情報や、カスタマーサクセス、カスタマーサポート、セールス、マーケティングなどの社内関連部門で把握した不具合情報をコミュニケーションプラットフォームディビジョンで集約・整理し、必要な改善対応を取る仕組みを整備しています。
お客様等の声をもとにしたサービス改善プロセス

また、当社では、SLA※として99%以上のシステム稼働率を目指してサービスを提供していますが、仮に障害が発生した場合には迅速にサービスを復旧させるための社内対応フローを整備しています。また、仮に所定の稼働率を下回った場合には、ユーザーに返金対応を行う仕組みも整備しています。
※ SLA: Service Level Agreementの略。サービスの提供事業者とその利用者の間で結ばれる、サービスのレベルに関する合意サービス水準のことを指す。
障害発生時の対応フロー

緊急事態に備え、当社では24時間365日のオンコール体制を整えております。
重度の障害と判断された場合には、管掌執行役員をはじめとする経営陣を含めた「障害対策チーム」と速やかに連携し、全社的な対応を講じております。
従業員のスキル・能力開発
提供サービスの品質を維持・向上させるには、従業員の能力開発が重要です。そのため、当社では、新入社員への教育のほか、 外部講師を招いての社内勉強会や社員が持つ知見を発表・共有する機会の整備、専門スキル向上等にむけた研修等の開催、書籍等の購入補助など、従業員の専門性向上の支援を行っています。